スワンナプームの光景 - Thailand Fiction 1

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スワンナプームには色々な人がいる。にたにた笑いながらゴルフバックをカートで運ぶ日本人、ディバックを背負い大きい布製バックを押す日焼けしたファランの老夫婦、スーツにネクタイで携帯しっぱなしのビジネスマン、本当に金がなさそうな汚いバックパッカー、平気で列に割り込むダサいコリアン、土産をいっぱい抱え大声で話すウザい中国人団体客、布で顔を隠したクサいアラブ人・・・多種多様な人種で24時間ごった返す国際空港だ。

今夜日本に帰るジュンイチはタイ航空のカウンターでチェックインを終え、Immigrationに向いながら、さっき近くにいた日本人の中年男性とタニヤ嬢っぽいタイ人女性の会話を思い出していた。

「アイシテル アナタ クルトキ デンワ スルネ・・・ワタシ マッテルネ ウワキダメヨ」
  『うんまた直ぐ来るよ。大丈夫浮気なんかしないから・・・』

ジュンイチは擬似恋愛にはまったビギナーっぽいタイフリークの中年男性に少し優越感を感じながら、隣りを歩くタイ人の恋人に言った。

『さっきのおじさん愛されてないのに馬鹿だね。すっかり女の子のペースだよ』
  「いいんじゃん。お金で恋人みたいになれるし・・・男だってたまに女チェンジしてるよきっと」
『僕はいやだな。僕ひとりじゃなきゃ。あの子他の男にもああ言ってるんだぜ。僕も最初は彼と同じだったよ。でも君と会ってから君だけだよ。君が本当に僕を愛してくれるまで随分時間かかったけどね』
  「そうね。もう長いからね。トーキョー着いたら直ぐ電話してね。心配だから」
  「あと今月お金少し多くお願いね。ファミリー大変だから。いつもごめんね」
『はいはいタイの奥さん。電話するよ。とりあえず30000バーツ渡しとくね。足らなくなったら直ぐ言うんだよ送るから。じゃあもう行くね』 ジュンイチはそう言うと女を抱きしめキスをした。

女は目を少し潤ませ手を振ってジュンイチがImmigrationに消えるまで見送った後、携帯で話しながらタクシー乗り場に向った。

「今お店?今仕事終わったの・・・今タクシー乗った。急いで行くから待ってて・・・」
  『マイペンライ。近くに来たら電話して店の前に出て待ってるよ・・・今夜はお前んち泊まっていいんだろ・・・』

女はタクシーに乗り込むと男が待つラチャダーのハリウッドと行き先を告げ、最近気になり始めた目じりのしわを丹念にメイキャップし始めた。
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by Sukhumvit_Walker | 2008-08-19 00:20 | Thailand Fiction  

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