留守電の疑惑 - Thailand Fiction 3

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アナウンスが後15分で成田に着陸することを告げる。定刻どおりの6:20だ。ブラインドを上げると眠い眼に眩い光が飛び込んで来た。朝日とともに頭が回り始め現実に引き戻される。「あぁ・・・また今日から味気ない生活が始まるのか」 ジュンイチはそう思うとため息をついた。
 
入国審査、税関をパスし京成電車に乗る前にFarに電話をした。いつものBodyslamのメロディが流れる。10秒、15秒・・・曲が進むにつれFarが恋しくなる。7時間前に別れたばかりなのに・・・曲がフェードアウトされやむなく電話を切る。「たぶん寝てるのだろう・・・・」もう一度電話をかけるが空しくBodyslamが流れるだけだ。

ジュンイチは電話を諦め電車に乗った。7時前だというのにいつも結構混んでいる。何気なく電話の事を考えていたら、客と一緒の時は電話に出れない昔のFarが脳裏をよぎった。ふと不信感が芽生える。「いつも寝ぼけていても電話に出るのにおかしい?アパートに帰ってないんじゃないか?・・・」一旦そう思うと不信が益々募り不安になる。「もしやあの後スワンナプームで客を出迎えたのでは?関空からは確か23時過ぎだったか?・・・いやそんな事はない!タニヤからは足を洗ったはずだ・・・いや昔の客とたまに会ってるのかも・・・いや信じよう俺の女になったんだから・・・」頭の中は堂々巡りだ。

上野に着き急ぎ電話をするとタイ語の留守電メッセージが流れた。「どうして・・・留守電!ってことは寝てない!起きてる・・・」疑惑は一気に膨らんだ。

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ハリウッド・アワードの酔っ払い - Thailand Fiction 2

スワンナプームの光景 - Thailand Fiction 1



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by Sukhumvit_Walker | 2008-08-21 00:14 | Thailand Fiction | Trackback | Comments(0)  

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