ラチャダーピセークのシャワー - Thailand Fiction 4

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暑い・・・あまりの暑苦しさでFarは覚醒し始めた。エアコンもなく締め切った部屋の空気は、午後の照りつける太陽で熱せられ、澱み息苦しい。扇風機が熱い空気をかき回し、身体中に汗がまとわり付く・・・頭痛がし吐き気がする。完全に二日酔いだ。停止していた思考が、ラチャダーのKitの部屋に居ることに気付くとともに、少しづつ働き始め目を明けた。

いきなり自分の剥き出しの下半身が目に飛び込む・・・股間は汚れ左足首にパンティが絡まっていた。Kitはいない・・・記憶はSpoonに入ったまではあるが、あとは洗面所とKitの身体の重さがとぎれとぎれに甦るだけだ。身勝手に欲望を吐き出したKitに腹を立てたが、彼がいないことがFarの不安を掻き立てた。「キィ ツゥン・・・Kitどこなの?」起き上がりシャワールームに向う。

Kitとは3ヶ月前、Hollywood Awardsで出合った。長身でやさしそうなフェイスがFarのタイプだった。若い頃何回も騙された経験から、もうタイ人は懲り懲りと思っていたにも関わらず、Kitとはその夜関係を持った。日本人に囲われて生計を立てるようになってからは、極力リスキーなことは避けてきたし、今度も夜の男との1回限りのアバンチュールのつもりだった。でも年下のいい男から「そんな年には見えない、きれいだ・・・Hollywoodの客だから言っているんじゃない。愛してる」と言われると嘘だとわかっていても浮かれていった。そして何より久しぶりにタイ語で愛を語り合えることがうれしかった。気が付いた時には、身も心も、そしてお金もKitに捧げていた。

シャワーはFarの覚醒を早めた。頭痛はするが思考ははっきりしてきた。「とりあえずKitに電話ね」そう思いバスタオルに身を包んだ。

★Back Number
留守電の疑惑 - Thailand Fiction 3

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by Sukhumvit_Walker | 2008-08-25 21:26 | Thailand Fiction | Trackback | Comments(0)  

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