疑わしきは罰せず - Thailand Fiction 13

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  「信じてって言っても説明してくれないとわかんないよ・・・」
「セツメイ・・イミ何?日本語難しい。わかんないよ・・・愛してるジュンイチ」
  「説明・・・こっちはタイ語がわからないよ。とにかくどうして電話がクローズドだったの」
「バッテリーがなくなったの・・・ごめんなさい」 
Farはジュンイチの声のトーンが変わったのを見逃さなかった。返事を最小限に留め様子を伺う。後はジュンイチの話にうなづけばうまく行くはずだわ・・・そう思い返事を待った。
  「バッテリーがなくなった?最初はBodyslamが流れたぜ。その後から留守電だよ。どうして出れなかったの?」
電源を切ったのはKit。でも彼は電話には出てない・・・たぶんそんな感じね。Farは状況を把握し最も無難な言い訳をした。
「ごめんなさい。疲れて電話バックに入れたまま寝ちゃったの」
  「本当?信じていいの?」 ジュンイチが少し安堵して答えた。
「本当って・・・寝てただけなのよ」
  「いや、いつもみたいにすぐ出ないから心配して・・・Farのこと愛しているから心配するんだよ。怒ってごめんね」
疑惑はあるが証拠はない。疑わしきは罰せずかぁ・・・彼女は本当に寝てただけかもしれない。この女を信じよう。ジュンイチはごめんねと言った後に自分にそう言い聞かせた。心が決まると気分も晴れ声も明るくなっていった。もうすっかりFarに甘いジュンイチに戻っていた。
  「仕事が終わったら電話するね。愛しているよFar」 
ジュンイチはやさしい声でそう言いミーティングに戻った。

★Back Number
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by Sukhumvit_Walker | 2008-10-19 16:54 | Thailand Fiction | Trackback | Comments(0)  

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